senjingaran5’s blog

▫️photo <時の彼方に> senjinsennin

#5 千盡仙人 旧作 42首より *束にしてストーブに焚べ灰にした歌の下書き2.3見つかる 42首の残り10首です

7/1

*落ちる落ちる梛の木の実が風に煽られ

青緑小さな粒が歩道に跳ねる

7/9

*犬を連れ夜風に吹かれ石のベンチに

横たはる宇宙の底と思ひたりけり

7/24

*垂直の真上に光る星ありて我は真下に仰臥しにけり

*仰臥する真上に光る星ありて垂直線をまざまざと見る

7/26

*雷が鳴れば即ち歯の根も合はず

ガタガタと震える犬のお福やあはれ

*鏡には自己認識を超えた顔この老い耄れを何と定める

8/12

*立ち枯れの布を巻きたる梛の木のミイラに似たる残暑厳しき

*枯れ果てしこの老骨の色もなきをみなを愛する心なんぞも

2007年 平成19年

3/21

*人住まぬ家の桜が庭の奥みで

如月の青空に揺れ目白飛び交ふ

*こんな句に終へる一生彼岸かな