幸子 短歌
65 北風に 坂道登る 枯草に 犬のうたたねを 呼べど知らん顔
66 ふいの客 越寒梅に ごぼうてん 昼のおかずを 酒のさかなに
67 夫の手中 やさしくつつむ みそさざい 口ばしと目が きらりと光る
68 星月夜 ふくろうの影 竹林へと 静けを破る ころすとこ鳴く
69すみれ草 花びら摘んで 5、6コを 朝のお前に かざりつけており
70 春雨が からりと上がり そよそよと 桜にだんご 北郷めぐり
71 きつつきが バスドラたたく もやの中 もうそう竹の 枯竹つつき
72 新緑の 柿の木ゆする カラスおり 枝をつわらえ 飛び去るつがい
千盡仙人
180529
*80で妻の介護もあるけれど今日の自分が明日はどうなる
*つね日頃不安を思ふことなくも されど80 俄かに竦む
*孤独死の言葉は知っていたのだが自分もそうと思ひ知るなり